Works　5　庭に住む―札幌

　

Concept

　

提案は、3つの主旨を基として構想されている。

1.全ての居室が、庭の恵みを享受できる住居であること

2.敷地の特性である斜面を有効に生かした住居であること

3.従来の北の住まいにはない新たな型式と様相を備えた住居であること

　

＜2つの庭＞

住居型式を、敷地がもつ南向きの傾斜を利用し、住居外周の大部分を大地で囲みながら太陽の恵みを享受しうる南面を外気に開くものとする。この型式は、北の地の気候風土に適応するものでありながら先述の3つの主旨を最も効果的に具現するものとして選択された。結果、2つの庭が現われる。

2つの庭には、それぞれ特色ある機能と表情が与えられている。上の庭は、住居の“エントリーウェイ”として住居の上部に、下の庭は、“白樺の森”として住居に面して設けられる。2つの庭は、エントランスホール、階段を内蔵するガラスの箱によって連結される。ガラスの箱下部には、冬期の除雪を考慮し融雪槽が設けられている。（Fig1)

　

＜庭の恵み＞

2つの庭から住居への開口が、効果的に設けられる。

上の庭からの開口は、住居の通路部分に間接的な採光をもたらす。下の庭からのそれは、全ての居室に四季折々の風景を伴った直接的な採光をもたらす。特にそこにしつらえられた二重のサッシュは、冬において庭と居室の境にサンルームを創り出す。また夏においては、全ての居室を庭にむかって大きく開け放ちながら、上の庭からの開口と連携して住居に良好な通風をもたらす。（Fig2)

Plan 　　　　　　　　　　　　　　　　　

　

　

Elevation And Section

　

Data 　　　　 　 　　　　　　　　

The Architecture of Hiroshi Kawahito/ 川人　洋志の建築

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